皆さん、こんにちは!
今日は「FIRE」に関して、とある人物の歴史と「FIRE」実現に向けてのポイントを取り上げてみたいと思います。
皆さんは「Peter Adeney(ピーター・アデニー)」という人物の名を聞いた事はあるでしょうか?
多くの方はご存じないかもしれません。
しかし「FIRE(Financial Independence, Retire Early:経済的に独立して早期退職))」という言葉に関しては、どこかで一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
実はこの方が何を隠そうこの「FIRE」という言葉を提唱した張本人なのです。
さて、この「FIRE」という言葉が広まった発端となったのは、彼が運営する「mrmoneymustache.com」というサイト上で、どのように自分がアーリーリタイア(早期退職)を実現したのかについての情報を発信し始めことによります。
それがアメリカでは2018年頃から徐々にメディアに取り上げられるようになり、「FIRE」という考え方とライフスタイルが若い世代を中心に徐々に支持され、一躍有名人となりました。
今回、ピーター・アデニー氏を取り上げたのは、実はこの方自身が元々システムエンジニアであり、実際に30歳の時にアーリーリタイア(早期退職)を実現したからです。
私たちのメディアサイト「ITF」では、IT×金融の知識で、豊かな人生とライフスタイルの提案を発信する事を目的の一つとしている為、実際にエンジニアという職業で働きながら、FIREを実現したピーター・アデニー氏についての歴史や考え方を紐解き、実際にFIREを実現する為のヒントを探っていこうと思います。
・FIRE実現の具体例!
・FIREを実現するために気を付けること、心がけることとは?
・FIREを実現するための目標金額の設定方法は?
・FIREを加速させる方法について!
FIREを実現するまでの道のり
まず彼の簡単な経歴と「FIRE」するまでの道のりを見てましょう。
彼はカナダ出身で、ソフトウェアエンジニアとして20代の頃から働き、当時の年収は750万円ほど。
当時パートナーであった女性も同じくソフトウェアエンジニアとして働いており、夫婦で約1500万円ほどの収入を得ていました。日本では1000万円以上の収入を得ている方はそう多くはありませんが、彼らはこの稼いだお金の多くを徹底的に節約し、余剰資金はほぼ投資に回していました。
その後、彼は20万ドルの家をノーローンで購入し、また60万ドルの目標としていた貯蓄額が貯まった30歳の時に会社を退職します。この60万ドルを利回り4%で運用をしていた為、年間で240万円ほどの配当利回りを得る事が出来ていたため、この利益を生活費に回すことで、夫婦と子ども計3人の家計をまかない、自由な時間とライフスタイルを実現する事が出来ました。
FIREするためのシンプルで究極の手段と考え方
このように彼が実際に行っていた行動は非常にシンプルなものですが、究極の資産構築のコツです。
■FIREを目指す為の超シンプルな公式
1 . なるべく高収入職に就くか副業を行う
2 . 無駄な浪費はせず節約する
3 . 余剰資金を投資に回す
■多くの人が陥りがちなワナ
ところで皆さんは「パーキンソンの法則」という言葉を聞いた事はありますか。
端的に言ってしまえば「支出は収入の額まで膨れ上がる」という法則であり、1958年にイギリスの歴史・政治学者である“シリル・ノースコート・パーキンソン”が提唱した法則です。
これはピーター・アデニー氏がサイト内でも語っている「中流階級の生活は無駄の爆発する火山」そのものです。
何とも恐ろしい法則ではありますが、事実多くの方が、収入と共に支出が増えていきます。私もFP業務の一環でライフプランニング(家計状況の把握・見直し、保険、住宅)を行いますが、所得が多い人はその分、生活の質を上げるための努力を無意識的にしてしまうのです。
このようにして所得は増えるが結果的に資産を築くことが出来ない人が多いのが現実です。
そうならない為にも、毎月の生活費をしっかりと把握し、無駄な消費をしていないか見直す事が重要です。
FIREを実践するために必要な資産額の具体的な算出方法
さて次にそもそも一体幾らあれば「FIRE」を実現する事ができるのでしょうか?
それを知る為には、まず最初に自分が将来どんなライフスタイルを送りたいのかを思い描いてみましょう。
例えばタワーマンションに住み、贅沢な食事を毎日食べ、色々な場所へ旅行に訪れたいのか、もしくは自然に囲まれた田舎の静かなところで、贅沢はしなくてものんびり過ごしたいという方もいるはずです。こうなった時に、年間支出の額は全く異なってきます。
この年間支出が明確になったら、次に以下の公式に当てはめて考えてみましょう。
■目標金額の算出公式
年間支出×25
例えば、年間支出が240万円(毎月の支出が20万円)の場合は
240万円× 25 =6000万円になります。
この年間支出× 25の根拠となっているのは、年間4%の利回りで生活するための金額という事になります。
アメリカの株価市場は、平均すると年間7%ほど上昇しています。もちろん今後もこの通り成長を続けるとは限りませんし、インフレなども考慮して少し厳しめに見て4%という数字を想定利回りとして算出しているのです。
さてここで、皆さん気づいたと思いますが、FIREを実現させるためには投資は必要不可欠になります。
ある程度の資産を形成し安定的な投資を行うことによってFIREは実現できるのです。
投資を行う上で知っておくべき利回りの考え方
さてピーター・アデニー氏の場合、この余剰資金を何に投資したのでしょう?
その答えは「インデックスファンド」への投資です。
皆さんはインデックスファンドという言葉を聞いたことはあるでしょうか?
株式投資を行った方であれば一度は耳にする言葉かもしれませんが、詳しくない方のために簡単に説明すると「インデックスとは指標、ファンドとは投資信託のことで、特定の指標(インデックス)と同じ値動きするよう運用される投資信託のこと。」となります。
日本では日経平均株価やNYダウといった「株式指数」や、NOMURA-BPI 総合のような「債券指数」などが使われます。
一方、アメリカの場合はS&P500という、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが公表している米国の代表的な株価指数の1つが一般的で、これはニューヨーク証券取引所、NASDAQ等に上場している企業から代表的な500銘柄を時価総額で加重平均し、指数化したものです。
つまり、S&P500に連動するファンドに投資すれば、アメリカの主要企業500社へ投資しているのと同じ効果が期待できるという訳です。
もう少し細かく説明をするとアメリカの代表的なインデックスS&P500に投資したときの平均的な利回りは7%となりますが、これにアメリカの年間インフレ率3%を差し引いた4%を想定していたという事です。
これによりピーター・アデニー氏は、当時得た60万ドル(6000万円)程の資金を利回り4%で運用し、日本円で毎年約240万円の配当収入を得る事が出来ていたのです。
参考までにTradingviewからチャートを参照してみると「S&P500の推移」、2002年に起きたワールドコムショック、2008年のリーマンショック、2020年の新型コロナウイルスといった大規模な経済ショック時に暴落を記録していますが、長期のスパンでみると堅調に推移しているのが分かります。
ここで大切なポイントを纏めると以下になります。
■投資先として選ぶ株や投資信託
1 . 高利回りのハイリスク・ハイリターンの株等には投資しない
2 . インデックスファンド等市場の動きに連動する商品に投資する
3 . 長期的な期間を見据え堅調に推移する商品で運用を行う
資産運用を行う上でのポイントは以下の記事でも纏めているので、是非ご参考にしてみて下さい。
皆さん、こんにちは。近年、資産運用は過去にないほどのブームになっており、資産運用に興味がある方は多いのではないでしょうか。 終身雇用が崩れ年功序列の賃金体系もなくなりつつある今、豊かな将来を迎えるためには資産運用をしてお金を増やす必[…]
FIREを加速させるために
ここまでは、ピーター・アデニー氏が「FIRE」するまでの道のりと実際のポイントについてお伝えしてきました。
これにもう一つ「FIRE」を加速させる、ポイントがあります。
それは収入自体を上げるという事です。
皆さんもお気付きになったと思いますが、いかに早く目標額を貯めるかが大きなポイントとなる中で、収入が上がるに越した事はありません。
当然、簡単なことではありませんが、特にIT系の仕事をしている人達にとっては、副業でコーディングの案件を探してみたり、自身のプログラミングスキルを活かして、講師の仕事をしてみたり、フリーランスのエンジニアとして働く事もできると思います。
その為、「FIRE」の実現に向けて非常に相性が良い職業だと思います。
勿論、収入が上がれば所得に対して様々な税金が掛かってくるので、税金対策も必須です。
この辺りは今後、サイト内でも取り上げていきたいと思います。
まとめ
今回は「FIRE」について、実際に実現した人物がどんな考え方を持ち、どんな事を実践し達成したのかを纏めてみました。まとめると以下のようになります。
■FIREを目指すためのシンプルな公式
・自分のライフスタイルと年間の生活費を明確にする
・若いうちに高収入を得る職業を選択する(副業でもよし)
・無駄遣いはせずとにかく支出を減らす
・余剰資金を投資に回す
この記事をご覧になっている方の多くは、今の働き方や収入に不満や疑問を持たれている方が多いのではないでしょうか?毎日の長時間通勤、人間関係や残業によるストレスなど、今のまま自分の将来の目標が実現できるのか。
誰もが一度は悩んだり、将来への不安を抱えたことがあると思います。
ですが、皆さん諦めないでください。
必ずFIREを実現する事は可能です。
その為には、しっかりと将来を見据え、今何が必要なのかをしっかりと分析し、冷静に行動をすることが大切です。